大人の事情

「ギャグ物だと思ってたのに急にバトル物になった。」

「レギュラーのあの人が急にいなくなった。」

「いきなり最終回になったかと思えばページ数が3ページしかなかった。」

「アニメを見ようと思ったらniceなboatの映像が延々と流れた。」

 

 

 

大人の事情。

 

ウルトラシリーズに限った話ではないが、ドラマにしろバラエティにしろアニメにしろ、あるいは漫画にしろこの概念との戦いは避けることができない。

子供に夢を与えるウルトラシリーズだがそういった「大人の事情」は切っても切れない物である。

出来れば子供達には知られたくない話が背後には蠢いているのだが、事情が理解できる大人になるととても楽しい話のタネになるのもまた事実。

ここではウルトラシリーズにおける「大人の事情」の歴史を紹介していこう。

 

 

 

・ウルトラマン

実は初代から大人の事情に振り回されている。

ウルトラマンは全39話であるが実はこれ、現場が不慣れだったことに起因するNG連発や円谷英二監督のこだわりによって作り直しなどが発生したことで制作スケジュールが大幅に遅れてしまい、制作が間に合わず打ち切りになった結果なのである。

ウルトラシリーズ真の敵「大人の事情」との戦いはここから始まっていたのだ。

ちなみに前作ウルトラQは全話撮り終えた状態で放送開始したためこういった問題は発生しなかった。

 

・ウルトラセブン

第12話「遊星より愛をこめて」に登場するスペル星人の設定が「放射能によって故郷を失った」というものであり「被ばく宇宙人」という二つ名を持っていたことから「被ばく者を怪獣扱いするのか」と抗議が殺到。結果としてスペル星人諸共第12話は封印され欠番となった。

 

・帰ってきたウルトラマン

ウルトラマンが帰ってきたが大人の事情も帰ってきた。

当初はドラマ面を強化するために登場人物の衝突やウルトラマンの敗北とその敗北を乗り越え成長していく姿を描いていた。

が、そういった複雑なドラマが子供にウケず路線変更する事になる。

ウルトラマンはパワーアップアイテムにより無敵のヒーローへ返り咲き、地球怪獣ばかりだった怪獣たちテコ入れされ、ベムスターのような宇宙怪獣やゼラン星人の様な宇宙人が登場するなどバリエーション豊かになった。

また、劇中でMAT隊長が交代しているがこれは元々2クール予定だったのが放送延期により4クールになった為に中の人のスケジュールが調整できなかったから。

 

・ウルトラマンA

男女二人での合体変身、レギュラー悪役ヤプール、悪役によって生み出される怪獣と今までのウルトラシリーズから大きく作風を変えたが変身ごっこが出来ないなど新機軸がことごとく不評。従来通りの一人変身にしたり、ヤプールが物語の中盤で倒されるなど大幅な路線変更を行う事になった。

また、新機軸を考え出したメインライターが責任を取って降板させられる事態にまでなってしまっている。

 

・ウルトラマンタロウ

ZATの朝比奈隊長が基地を留守にして物語に登場しないことが多いが、これは中の人が多忙のため初めから全話出演できないことが決まっていたため。その隊長の穴を埋めるためにシリーズ初の副隊長として荒垣副隊長が設定された。

で、その副隊長も作品の終盤で謎の声変わりをした後、宇宙ステーションに転属という理由で物語から退場している。これは中の人が負傷のため出演できなくなってしまい、当時のドラマは映像を先に撮って後からセリフを入れる所謂オールアフレコ アタシの時代はオールアフレコよbyモロボシ・ダン で制作されてたので映像が撮り終わっている分は代役がアフレコをして放送しそれ以降は別の人物を新たな副隊長として登場させた為。

 

・ウルトラマンレオ

故郷を滅ぼされ地球に一人生きるレオの孤独感。未熟なヒーローが厳しい戦いを経て成長していくなどシリーズ屈指のハードストーリーを展開したものの不評。

童話を基にしたシリーズを放送するなど従来通りの親しみやすい作風に路線変更していった。

が、オイルショックが発生した事で制作費の削減が求められシリーズ初の防衛チーム全滅を始めとして再び大きな路線変更を行い当初の様なハード展開に回帰する事になった。

MAC最大の敵は大人の事情だった。

 

・ウルトラマン80

ウルトラマン先生という新機軸を元にしたものの、撮影現場を日曜日しか使えない事による撮影スケジュールの圧迫や視聴率の不振によって教師ドラマを廃し従来通りの作品に路線変更した。が、視聴率は路線変更する前の方が良かったという結果になった。

この路線変更はTBSと円谷プロの間で大揉めになったらしく円谷プロ6代目社長円谷英明氏によるとこの後16年に渡ってウルトラシリーズのテレビ放送が途絶えた原因もここにあるらしい。

なお、この大人の事情は25年の月日を経て設定へと昇華される。

 

・ウルトラマンネオス

2000年にOV作品として世に出た作品だが元々は1996年に平成ウルトラシリーズの第一弾として放送予定だった作品である。そのため1995年ごろから宣伝が行われパイロットフィルム版なども製作されたが放送枠が確保できずに断念。1996年の平成ウルトラシリーズ第一弾はウルトラマンティガに譲る事になる。

その後、平成三部作や同時期に制作されていたOV版ウルトラセブン(いわゆる平成セブン)の人気からウルトラシリーズの需要が高まったことを受けて2000年にOVとして制作された。

ウルトラマンコスモスの放送休止期間中に繋ぎとして念願の地上波デビューを果たしている。が、コスモスの放送再開によってわずか2話でお役御免となった。

また、アメリカの保険会社でPRキャラクターを務めたりや台湾でバンドのMVに登場したりと海外向けに何かと出番があるが、これは海外における昭和ウルトラシリーズの版権が面倒な事になっているため平成ウルトラマンで一番初代に容姿が近いネオスに白羽の矢が立つから。らしい。

 

・ウルトラマンティガ

・ウルトラマンダイナ

現在AmazonプライムやHuluなど様々な動画配信サイトで歴代のウルトラシリーズを視聴することができるが、この2作はどこの配信サイトでも配信されていない。

一説によると某アイドル事務所のタレントがレギュラー出演しているから。と言われているが真相は不明。正に大人の事情。

 

・ウルトラマンガイア

ライバルウルトラマンとして登場したウルトラマンアグルは元々中盤で物語から退場する予定だったが予想外の人気を得た事で急遽復活が決定した。

が、元々アグルがいない状態で考えられていた物語に急遽アグルを組み込む事になった為か復活後の扱いは少々不遇。

また、アグルとは別に作中に登場した女性がウルトラマンに変身する案もあったが立場的にアグルと被るという事で没となった。

 

・ウルトラマンコスモス

主演俳優が暴行恐喝容疑で逮捕される事件が発生。

これにより番組は打ち切りとなり主演俳優が番組に映らない様に編集された総集編を2話放送して強引に終了。この時コスモスがテレビの前の視聴者に対してやんわりと大人の事情を説明している。その後の繋ぎにはウルトラマンネオスが放送された。

その後、事件は被害者の狂言であり逮捕は誤認だったことが判明して釈放され、番組も無事再開された。

が、一歩間違えれば誤認逮捕によって一人の人生が狂わされ番組も封印作品になっていたと思うと笑えない話である。

また、この誤認逮捕によって一部の話がお蔵入りとなった。

 

・ウルトラマンネクサス

視聴年齢層を引き上げ大人向けの作品を目指した結果、土曜の朝7時半に見合わないホラー映像の数々を放送した事で視聴率が低迷。更には新聞に批判記事まで書かれてしまい路線変更か放送短縮の二択を迫られて4クールの予定から3クールへと放送短縮された。

この放送短縮によって当初の予定より多くのシーンがカットされてしまったが、中にはカットされる事が分かっていながらも撮影されたシーンもあったらしい。

また前半2クールと第3クールで作風が幾分かマイルドになったので路線変更も実はしていたのでは?と言われることもあるが製作者によると前半と後半で作風を変えることは初めから決まっていたらしい。

 

・ウルトラマンマックス

上述のネクサス放送短縮によって40周年記念作品のウルトラマンメビウスを放送までの繋ぎの作品が必要となり急遽制作された。という大人の事情によって作品が生まれた。

 

 

 

とまぁ、ざっと並べてみただけでも結構「大人の事情」に振り回されているのである。今後もこの概念との戦いは続いていくだろう。

ウルトラマンたちはこの絶対に倒せない強敵と戦いながら僕らに夢と希望を届けてくれるのである。

 

最後に一つだけ事柄を紹介してこの記事を締めたいと思う。

 

 

・最近のウルトラマンに防衛チームが出てこなくて、出てくる怪獣や作風が似通っている理由。

 

察しろ。